母の日の奇跡

今日は雨天…昨日は母の日でしたね。

 

梅雨の時期の代表花である アジサイと母の日 で...
(
お花に詳しい方は、ご存知かと思いますが、
市場では母の日の時期には既にアジサイは出回っています)
ふと 偶然で素敵な出来事 があった事を思い出したので、ここに書くことにします。

 

父子家庭の中学生の娘さんからのフラワーアレンジメントのオーダーで…
その娘さんは、幼少期の頃に

「お母さんは病死してしまった」
と父親から聞かされて育ってきたそう…
その娘さんの幼い頃のお母さんの面影の中に
アジサイの花を触っている母親のイメージが残っていらっしゃるそうで…
その亡きお母様のご供養として
アジサイの花をふんだんに使用したアレンジメントをご注文下さいました。

 

その数日後、40代半ばの女性の方から
アジサイの花をメインとしたアレンジメントのオーダーのご依頼を頂いたのです。
その時 私は
「え!またアジサイのアレンジメント!?」と思いました。
そして既に私は先程の中学生のオーダーに専念しており、
少しお時間が掛かる旨と言い訳として前述の娘さんの話をしました。
それを聞いた40代半ばの女性が
「その子は英子ちゃん(仮名)じゃないですか?」
と尋ねて来ました。
実際その子の名前が、そうだったので私はビックリしてしまい
うかつにも “ 個人情報を守る立場 ” であることを忘れ、
なぜ知っているのか、ということも聞き返してしまいました。

 

その方の話によると、どうやら幼い頃に別れた娘さんらしいのです。
この状況から私が推測するに…
離婚した後、
“娘が成長し母親に取られる事を心配した父親” が
死んだ事にしてしまったのでしょうか?…
誠に勝手ながら私は、

この母娘の作品を入れ替えて、それぞれに届ける事を母親の方に提案してみました。

‘自分が生きている事’ を伝えたかったようで、快く承諾して下さいました。

 

私は頑張って2つの作品を同時進行させ、いよいよ完成!
母親から依頼された作品を娘さんへ届けたところ…
使用している花は同じでもアレンジメントのオーダーが違う事に不愉快そうな表情です。
そこで
「お母様から英子ちゃんへのプレゼントです」と伝えたところ、
今度は理解出来ない表情になっています。

そこで私は母親から聞いた話を英子ちゃんに伝えました。

 

母親が生きている事・今でも忘れていない事・そして会って抱きしめたい と思っている事 を!
そしたら英子ちゃんは、そのアレンジメントを抱きしめて
大きな声を出して泣き始めました。
英子ちゃんが、ようやく落ち着いた頃を見計らい
英子ちゃんのオーダーしたアレンジメントを母親へ届ける旨を伝えたところ、
「お母さん、私も会いたいよ」とのメッセージも預かりました。

 

娘さんのオーダーしたアレンジメントを母親へ先程のメッセージと共に届けたところ
その母親も「生涯で1番嬉しい母の日のプレゼント…」と 喜んで泣き崩れました…。

 

後日談…

父親の了解も得て、お二人は再会する事が出来たそうです。

御剣先生のが、おっしゃっていました「花の ちから が生み出した 奇跡 ですよね」と。